Happy Birthday~大切な人に贈る言葉~
「俺、歩保と一緒にテニスしているときが一番楽しいかも。」
「またまたぁ!」
「歩保。部活、来いよ。一緒にテニスしようぜ。」
「‥気が向いたらね。」
私は嬉しかった。
また、テニスをしようて言われて。すごく、すごく。
「ところでさ‥歩保は好きな人とかいるの?」
とんできたボールを打ち損ねる。
「いるわけないじゃない!!」
即答したが‥
「でも、動揺してるよね?誰?いるの?」
圭太くんはこの状況を楽しんでいる。
「いないったらいない!!ほら、続けるよ!」
好きな人はいない。だけど、私は圭太くんのことが気になって仕方ないんだ。
そんな楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
私は授業の空き時間にまた、食堂で勉強をしていた。
すると‥
ドン!!
隣の机を叩く音がした。音がした方を見ると、そこには葵さんがいた。それも、すごく怖い顔をした葵さんだった。
「‥朝のあれ、どういうこと?私、あれだけ忠告してまだこりてないの?」
「あ‥朝のは圭太くんに誘われたから。」
「はぁ?あんたが圭太をたぶらかしたんじゃないの?」
「違う。たぶらかしてなんかいない。私は純粋にテニスを楽しんでただけだから!」
パン!!!
そう言った瞬間、私は葵さんに叩かれていた。
「本当にあんたって、私をイラつかせる天才だよね。地味なくせに。」
「うん。知ってる。地味なこと私がよく知ってるよ。葵ちゃんに言われなくたって。」
私は初めて言い返していた。これは殴られたことによる、開き直りなのかよく分からない。
「へぇ。結構言うじゃん。じゃあさ、なんで私が圭太にこだわるか知ってる?」
「知らない。聞きたくもない。」
それは、本音だ。
「それはさ、あいつが私の告白におちなかったから。他の男はさ、私といるとコロッとおちるの。けど、あいつはおちなかった。だから、おとしてやりたいて思うのよね。これじゃあ、悔しいし。」
「‥‥‥‥‥‥。」
「でもさ、あいつはかっこいいだけで、中身は何もないんだよね。空っぽなの。経済学部にいるんだったら賢いとか思ってたけど全然ね。それに、優しいけどおとせたとして私の彼氏には相応しくないかもね。」
聞きづてならないことを言った。
私の中で怒りが湧きあがる。
気がつくと私は‥
パン!!!
葵さんを叩いていた。
「な‥何するのよ!!」