Happy Birthday~大切な人に贈る言葉~
「ふざけるな!!!そんな風に思ってるなら好きとか発言しないで!圭太くんに失礼だよ!!圭太くんは空っぽなんかじゃない!葵さんは圭太くんのすべてを否定してる!圭太くんは全部‥全部、人間らしいよ。それを否定するなんて許さない!!大事な人の全てを否定するなんて許さないから!!」
「何よ!優等生ぶらないで!!あんたなんか、勉強もスポーツも出来ないくせに生意気なのよ!!こんなの勉強したって夢は叶わないのよ!!」
そう言って葵さんは私の参考書を持って、ごみ箱に捨てた。
「‥あんたは、負け組なのよ。今も、これからもね。」
私は慌ててごみ箱から参考書を出した。
その時だった。
「お前だったのか、歩保を泣かせたのは。」
声のした方を見ると、そこには圭太くんと友達がいた。
「おい、星野。圭太は空っぽなんかじゃねぇよ!!ちゃんと中身があるんだよ!」
「友達の悪口、言われて黙ってられないんだけど。」
圭太くんの友達が葵さんに詰め寄る。
「‥っ‥違うの、これにはわけが‥。」
「何が違うの?」
圭太くんが静かに詰め寄る。
「それは‥。」
「俺がなんで、星野の告白にOKしなかったか知ってる?」
葵さんが首を横にふる。
「俺の友達が星野さんと付き合ったことがあるんだけど、すぐに別の男に乗り換えられたていうのを聞いていたからだよ。そんな人に俺は青春を捧げたいなんて思わない。ましてや、好きな人の夢を否定する人とはつき合えないよ。」
「‥‥っ‥。」
「それにしても、よく俺のことを空っぽなんて言えたね。心外だ。俺という人間を空っぽていう一言で片づけるな。」
「‥ごめんなさい。」
葵さんが謝るが‥
「俺だけじゃない。星野の言葉で傷付いた奴がいるんじゃないのか?」
そう圭太くんが言うと葵さんは私に向かって深々と頭を下げた。
「すみませんでした。」
そう言うと、逃げるように葵さんは去っていった。
「圭太、あれでよかったのか?もうちょっと強く言っても‥。」