Happy Birthday~大切な人に贈る言葉~


「ふざけるな!!!そんな風に思ってるなら好きとか発言しないで!圭太くんに失礼だよ!!圭太くんは空っぽなんかじゃない!葵さんは圭太くんのすべてを否定してる!圭太くんは全部‥全部、人間らしいよ。それを否定するなんて許さない!!大事な人の全てを否定するなんて許さないから!!」



「何よ!優等生ぶらないで!!あんたなんか、勉強もスポーツも出来ないくせに生意気なのよ!!こんなの勉強したって夢は叶わないのよ!!」



そう言って葵さんは私の参考書を持って、ごみ箱に捨てた。



「‥あんたは、負け組なのよ。今も、これからもね。」


私は慌ててごみ箱から参考書を出した。


その時だった。


「お前だったのか、歩保を泣かせたのは。」


声のした方を見ると、そこには圭太くんと友達がいた。



「おい、星野。圭太は空っぽなんかじゃねぇよ!!ちゃんと中身があるんだよ!」


「友達の悪口、言われて黙ってられないんだけど。」



圭太くんの友達が葵さんに詰め寄る。



「‥っ‥違うの、これにはわけが‥。」


「何が違うの?」


圭太くんが静かに詰め寄る。


「それは‥。」


「俺がなんで、星野の告白にOKしなかったか知ってる?」


葵さんが首を横にふる。


「俺の友達が星野さんと付き合ったことがあるんだけど、すぐに別の男に乗り換えられたていうのを聞いていたからだよ。そんな人に俺は青春を捧げたいなんて思わない。ましてや、好きな人の夢を否定する人とはつき合えないよ。」



「‥‥っ‥。」



「それにしても、よく俺のことを空っぽなんて言えたね。心外だ。俺という人間を空っぽていう一言で片づけるな。」




「‥ごめんなさい。」


葵さんが謝るが‥


「俺だけじゃない。星野の言葉で傷付いた奴がいるんじゃないのか?」


そう圭太くんが言うと葵さんは私に向かって深々と頭を下げた。



「すみませんでした。」




そう言うと、逃げるように葵さんは去っていった。



「圭太、あれでよかったのか?もうちょっと強く言っても‥。」

< 13 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop