Happy Birthday~大切な人に贈る言葉~
「それは、よかったね。元気になりすぎて、怪我とかしないでねー。」
(もう!英莉紗ってば、冷たい!)
そう言って私と友人は笑い合う。
「‥で、今日はどうしたの?めずらしいね?電話をかけてくるなんて‥。」
(あっ!そうそう!電話したのは、愛梨紗のことなんだけどね‥。英莉紗も知ってるでしょう?愛梨紗が結婚するって話。)
「えっ!?何、それ‥。私、初耳なんだけど‥。」
愛梨紗が‥結婚する‥?どういうこと?
私の頭は混乱していた。
(えっ!?もしかして、愛梨紗から連絡もらってない?私、愛梨紗からLINEで報告があったんだけど‥。)
「ねぇ‥それ‥いつの話?」
私の声がふるえる。
(今年の1月だよ。来年の2月に式をあげるから、来てくださいだって。高校の仲、良かったメンバーは全員、呼ばれてるんだと思ってた。何より、英莉紗と愛梨紗は仲良かったから‥。喧嘩でもしたの?)
「‥ううん。‥してない。した記憶がない‥。」
(そ‥そっか!愛梨紗、ちょっと天然なところがあるからきっと、忘れてるんだよ!そのうち、来るからまた結婚式の余興の練習しよう!じゃあ、またね!)
そう言って、友人は逃げるように電話を切った。
私はしばらく、その場から動けずにいた。
涙が溢れ出す。
‥ショックだった。小さい頃からずっと、高校まで一緒で‥誰よりも絆は深いて思ってた。
それなのに‥思ってたのは、私だけだったんだ‥。愛梨紗にとって、私は親友でも幼馴染みでもなんでもなかったんだ‥。
私の心はまたしても深く傷ついてしまった‥。
4月 うちの部署にも新入社員が入ってきた。
4月という、最初のこともあり忙しい毎日を過ごしていた。
忙しい方が‥愛梨紗のことを思い出さずにすむと思った。
男のことも嫌いになって、女子のことも嫌いになったら私はどうやって、生きていけばいいのよ‥。
そういった、悶々とした日々を過ごしていた。
そんなときだった。少し落ち着いてきた、4月中旬。
一人でお昼を食べていた時だった。
「須永さん、俺とデートしてください!」
忘れかけていた男。佐渡翼が現れ、いきなりデートのお誘いを申し込んできた。
いつもなら、非常識な男!と言って罵るのだが‥
「‥いいよ。‥いつにするの?」
私はスケジュール帳を開ける。
当の佐渡はというと‥
「え‥えぇっ!!?い‥いいんですか!?」
「‥いいよ。‥でも、プランは全部まかせるから。‥で、いつ?」
今日は罵る気にもならなかった。
「じ‥じゃあ、今週の土曜日に駅前に朝、9時に集合でいいですか?」
「了解。」
そう言うと、佐渡は嬉しそうに帰っていった。
見てると、どっちが先輩なのか分からなくなってくる。
デートすれば‥ちょっとは気が紛れるかな‥。