Happy Birthday~大切な人に贈る言葉~



デート当日になってしまった。


私は駅前に5分早くついてしまった。



いつもだったら、私を待たせるなんてどういうつもり!?ていうところだけど、最近はそういう気分じゃない。


原因は愛梨紗のことだってわかってる。



「すみません!お待たせしました!」


声の方を見ると佐渡さんが来るところだった。


「本当にすみません!待ちましたか?」


息をきらせながら佐渡さんが聞く。


「今、ついたところです。さぁ、行きましょうか。どこに行くんですか?」


すると、佐渡さんが目を丸くする。


「怒らないんですか?」


「‥佐渡さんを責めても時間の無駄かと思いまして‥。嘘です。気分じゃないだけです。」



ちらっと佐渡さんを見ると笑っていた。


「須永さん、いい人じゃないですか。よしっ!じゃあ、まず最初に水族館に行きましょう!」


そう言って、佐渡さんは私の手を握って歩きだした。








私と佐渡さんは水族館に行き、水槽にいる魚たちを見て、楽しんだ。



ペンギンの水槽に来たときだった。


2匹のペンギンがじゃれあっていたが、相手に攻撃され、1匹は水の中に逃げていった。


「あー、あのペンギンもふられたのかなー。ぶたれた上に可愛そうに。」



「‥佐渡さんも‥ふられるのを覚悟で私に告白をしたんですか?」


「えっ!?」



佐渡さんが驚いて私の方に振り向く。


私もなんで、こんなことを聞いているのだろうと思った。



「あっ‥いや‥なんでもないです。次、行きましょうか。」



「そうですね‥。でも、俺はふられても絶対に何度でも告白しようて思いましたね。」


見るとそれは真剣な顔をした佐渡さんだった。



「それぐらい、俺は須永さんのこと好きなんです。須永さんが入社したときからずっと、好きでした。俺、自分に嘘だけはつきたくないんですよ。だから、俺は何度でも告白します。須永さん覚悟しておいてくださいね!」


私は‥こんなにも‥真っ直ぐな人と出会ったことがあっただろうか‥。


人を好きになるって‥こんなにも心が暖かくなるものなんだろうか‥。



「‥あ‥ありがとう‥ございます‥。」



私の顔は隠せないぐらいに赤くなってたと思う。




「次、行きましょうか。」


そう言って、佐渡さんはまた私の手を握ってくれた。


嫌な気持ちではなかった。



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