Happy Birthday~大切な人に贈る言葉~
「ただいま、留守にしております。ご用の方は音の後に御用件をお願いします。」
その夜、私は愛梨紗に電話をしてみたが、見事に留守番電話だった。
私は諦めて、その日の電話は何も記録には残さずに切った。
それから、何回も電話をしてみたが留守番電話ばかりで本人につながることはなかった。
不安で不安で仕方なかった。
メールにメッセージを送っても、いっこうに既読がつく気配がなかった。
もう、諦めようとした5月4日のことだった。
今日は、私の誕生日!だけど、いまいちテンションがあがらない。
なので‥ゴロゴロと一日を過ごしていたわけなのだけど‥それは‥突然にやってきた。
ピンポーン!
玄関のチャイムがなった。
誰だろうと思って、玄関口の穴をのぞきこむ。
見るとそこには一人の女性が映っていた。
私がドアを開けると‥
「英莉紗、久しぶり!!!元気?」
私に飛び付いてきた人物。
それは‥永塚愛梨紗だった。
「な‥なんで、あ‥愛梨紗がここに?」
私は突然の出来事に心臓がドキドキしてる。
「今日は‥英莉紗の誕生日だと思って、お祝いをしに来たの!」
そう言って愛梨紗は手にさげてる袋を持ち上げた。
「わ‥わざわざ、栃木から出てきてお祝い?それなら‥LINEでも‥。」
「まぁまぁ、そんなことはお気になさらずに!さあ、こんなところで立ち話もなんだから入って!」
「あのさ、愛梨紗。ここ‥私の家‥」
「そんなことは気にしないの!」
そう言って愛梨紗は私の背中を押して家の中へと押し込んだ。
「でも、よく覚えてたね。私の家。」
「うん。英莉紗の家は忘れないよ。ケーキ、冷蔵庫に入れとくね。」
どうやら、英莉紗は本当にお祝いするためにケーキを買ってきてくれたみたいだ。
「‥ねぇ英莉紗、お昼は何を食べたの?」
「カップラーメン。」
「うわぁ‥女子が‥しかも誕生日にカップ麺!?駄目だよ英莉紗!ちゃんと栄養も考えて食べないと。」
「だって‥面倒なんだもん。料理。」
ここまで来ると、もう愛梨紗が母親にしか見えない‥。
「‥仕方ない‥。今日は久々に来たから、私が料理を作ってあげる!英莉紗は休んでていいよ。なんていったって今日の主役だからね。」
そう言うと愛梨紗は晩ごはんを作り始めた。
なんか、風みたいにどんどん話が進んでいく。
まるで‥台風みたいだ‥。