お茶にしましょうか



少し悩んでいる表情にも見える江波くんの隣から、毒舌の彼が体を前に出しました。



「萩原さん。きな粉棒とか食べる?俺、奢るよ」

「い、いえ!そんな……」

「要るか、要らないかで答えて」

「要ります!」



すると、毒舌の彼は若者らしく「おっけー」と言い、3人の空になった器を集めて、店の中へと入っていきました。

戴けるものは戴いておかなければ、勿体無いと考えた私でした。

それは、せっかくのものを貰わなければ損だ、ということもあります。

しかし、相手の方のお気持ちを無下にしてしまう、とも思ったからです。

ここ最近の私は、江波くん思考の基礎が身に付きつつあると思っております。

これは私にとっても、非常に嬉しいことです。
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