お茶にしましょうか



しばらくすると、毒舌の彼が戻ってきました。



「萩原さん、はい」

「ありがとうございます」

「江波も、はい」

「ありがとう」



きな粉棒を手渡してくださると、毒舌の彼は江波くんの隣、定位置に勢い良く腰掛け、また大きな溜め息を吐いたのです。

今日だけでも、多くみられる彼の大きな溜め息の意図を、少し知りたくなりました。



「お疲れですか?」



私が毒舌の彼に向かってそう問うと、江波くんは正面を向いたままで、密かに目を見開いてらっしゃいました。

私は、それを見逃しませんでした。
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