最後の恋愛 番外編 ☆もうひとつのストーリー☆
大麦は、捕らえた私の右手の人差し指に口付けて囁いた。

「誘ってんの?」

「え、ち、ちがっ、あの、そうじゃなくて!」

「そう、だろ?あっちこっち撫でられてくすぐったかったんですけど?」

大麦が寝てるのを良いことに私はやたら大麦を触っていたみたいだ。

無意識だからね???

「ごめ・・ん。」

言い切る前に、大麦の唇が私の口を塞いだ。

とろけるみたいに幸せでできた湖の中に落ちていくみたいだ。

大麦が好き

大麦が好きだ

絡み合うように抱き合って、私たちは溶け合い混ざり合い、時間も忘れてひとつになった。

全ての問題が消えて、目の前の大麦だけしか見えなくなる。

これが本当の恋で愛なら、私はこれまで誰にも本当の恋愛をしていなかったのかもしれないな・・

この人が最初で最後の・・
< 167 / 190 >

この作品をシェア

pagetop