最後の恋愛 番外編 ☆もうひとつのストーリー☆
「大和は、常にその悩みから抜け出せないな。」

大麦が電話の向こう側でため息混じりに言った。

「だって・・。」

「これまでの恋愛でお前を世界一良い女だって言ってくれる男はいなかった、ってわけか。」

世界一いい女

なんて称号は、そもそも私には不釣り合いだし・・

「世間的にみたら私は中の下だよ。」

あ・・また卑屈な言い方を・・

「俺にとっては大和は世界一の女だよ。」

そんなきとくな事を言うのは大麦くらいのものだ。

って、分かってるのかな・・

「ほんっと、めんどくさいヤツ。」

大麦はクスッと鼻を鳴らして微笑する。

うん・・

自覚ある。

私は、絶対に・・

めんどくさい女だ。

「ごめん・・嫌に・・なった?』

小さく呟くように問いかけると、背中から唐突にギュッと誰かに抱きつかれた。

驚く間も無く、振り向こうとした私の唇にその人の唇が重なる。
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