青い空の下、僕たちは今も




「すっごく綺麗でしたっ!
感動したっ!!」


思わず走って、そう声をかけた

でも



「流石だねー
やっぱあんた速いわ」

「お前もそこそこだろ」

「うっわ、上から目線!
腹立つー」


お姉ちゃん

私の自慢の、お姉ちゃん


可愛くて

足が速くて

みんなに囲まれてて

そんなお姉ちゃんを、初めて
ズルいと思った



走った

走って、走って、走って、


出逢ったときのあなたと
同い年になった


「おー、久しぶり
入学おめでとう」

「ありがとうございます」


同じ学校、同じ部活

やっと、あなたと肩を並べて


走れると、信じていたのに――





「お姉さん速いよね
見てよ、あの二人。別格じゃん」


何も、変わらない


「やっぱ速いね」

「お前もそこそこだろ」


いつか聞いたような会話を
また繰り返す


「てか、高校どこ行くの?」

「あー、推薦来たとこ見て考える」

「あんた、頭もいいから
選びたい放題だね」


まだ行かないで

やっと、追いついたのに


追いついたと、思えたのに――――


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