始まりのラピスラズリ
「お久しぶりです、ハル先輩」
目の前には、ニッコリと微笑む椎名。
こんなに彼女の顔をはっきりと見たのは、
俺が過去を話したあの日以来だった。
ずっと避けてきたのに…。
気まずさに顔を逸らせば、椎名は笑顔のまま続ける。
「昨日、勇人先輩に会った時にも思ったんですけど、
ハル先輩のクラスのTシャツ、カッコいいですね」
そう言われて、俺は自分の着ているTシャツを見る。
黒地に、ところどころ絵の具を飛ばしたような黄緑色の模様。
その上には黄色で大きく
゙SHOW MUST GO ON ゙
と書かれていた。