ドクターと甘い恋
「陽向先生さ、お前のために色んな医学書沢山読んで、回診に行って、お前の笑顔を見るために高校生に人気のありそうな、雑誌とか読んで、遅くまでお前のこと1日中考えるんだ」


大翔は、真っ直ぐな瞳で嶺菜の目を見つめる。


大翔は、俺がしていたことちゃんと、見ていてくれたんだ。

そして、医者の俺がかけられないような言葉を、ストレートに嶺菜にぶつけてくれる。





どうしたら、嶺菜の不安が取れるのか大翔は大翔なりに考えて、嶺菜にとって最大の看護をしようとしてる。

……大翔、お前はほんと最高の看護師だと思う。



「わたし、の、…こと?」


「うん、陽向先生も、俺も他のみんなも早く嶺菜が治って、笑顔になってほしいって思う。

元気になるためには辛い治療を乗り越えなきゃいけない。
それは、わかるよな?」




コクン、と頷く嶺菜。

嶺菜が頷いたのを見ると、大翔は優しく微笑むと嶺菜の手のひらをぎゅっと握った。


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