秘密の糸Season1㊤
フロントでは、男性店員が立っていた。


「いらっしゃいませ、2名様ですか?」


「は…」


「はい」


私が答えようとした時、晋ちゃんがすぐさま答えた。


「かしこまりました、お時間は何時にされますか?」


「あ、じゃあ…」


「フリータイムで」


また、晋ちゃんが答えた。


「かしこまりました、機種は…」


その後の質問も、全部晋ちゃんが答えた。


(初デートの時は聞いてくれたのにな…。)


私は、ふとそう思ってしまった。


「…ではこちらです。4番のお部屋となっております。」


そう言って店員さんは伝票を渡してきた。


私が受け取ろうとしたその時、


晋ちゃんがバッと取り上げた。


「行くぞ、円花。」


「う、うん。」


そして私達はドリンクバーでジュースを入れ、4番の部屋に入った。

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