秘密の糸Season1㊤
注文し終えたその時、


晋ちゃんが、後ろから私を抱きしめた。


「ひゃ!びっくりした…。どうしたの?」


「ん?なんとなく」


そう言って晋ちゃんが、私の背中に顔をもたれてきた。


その時


「失礼致します」


男性店員がドアを開け、料理を持って来た。


晋ちゃんはとっさに、手を離した。


私はその時、男性店員と目が合ってしまった。 


その瞬間、晋ちゃんが不機嫌になった。


そして口を開いた。 


「…そこ、置いといて下さい。」


「…あ、はい、分かりました。…失礼します。」


そして男性店員は料理を置き、そそくさと部屋から出ていった。

 
「…あいつ、円花のこと見てたな。」


「そんな事ないよ〜!」


その時、晋ちゃんの声がさっきよりも少し低くなった。
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