秘密の糸Season1㊤
「何だ貴様!」


「お父様、お母様、初めまして
美菜さんとお付き合いさせて頂いてます。新堂です。」


(え!?)


「…美菜に別れさせるよう、電話で告げたはずだが?」


(まずいよ…涼汰君)


「知ってます。だけど僕は、諦めるつもりはありません」


「な、何を勝手に!」


「勝手なのはあんただろ!?
娘の気持ちも聞かずに勝手に見合いなんて決めて、
そんなに自分が大事かよ!
こいつはあんたの人形じゃねえーんだよ!」


「貴様に関係ない!出ていけ」


「あんたが勝手なことするなら、俺も勝手にする。
美菜は俺が貰います。行くぞ美菜!」


「おい!待て!」


(…涼汰君)


そう言って涼汰君は、私の手を引っ張った。


私はもう…。その手を離せなかった…。


「ハア…ハア…」


そして私達は、走り続けた。


後ろを見ると、両親が追っかけてきていた。


「マズイな…」


そして走っていた時、曲がり角でラブホテルを見つけた。
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