秘密の糸Season1㊤
「ふー…大丈夫か円花!?」


(どうして…私の名前…)


「助けてくれてありがとうございます。
あの…誰ですか?」


「そっか、会ったの久々だもんな。
久しぶりだな、円花。
俺だよ、秀一。」

「秀兄ちゃん!?」


「ど、どうしてここに!?」


最後に会ったのは、私が引っ越しする当日。


この町に帰って来た時、秀兄ちゃんはもういなかった。


「俺結婚して、最近この辺に引っ越して来たんだ。
今日は大学の時の奴らと来てて、
そしたら円花の声がしたからさ…。
何もされてないか?大丈夫か?」


(相変わらず秀兄ちゃんは優しいな‥。)


晋ちゃんと同じぐらい、私は秀兄ちゃんが大好きだ。


「大丈夫!ありがとう!」


「お前を小さい頃から見てたからかな…。
未だに不思議とお兄ちゃんグセが出る。」


そう言った秀兄ちゃんの顔は笑っていたけど、どこか少し寂しそうだった。


(…秀兄ちゃん?)


「大人になったな、円花!今日はデートか?浴衣似合ってるぞ!かわいい」


「へへ…!ありがとう!」


その時

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