秘密の糸Season1㊤
【涼汰side】

事が過ぎたあの後、横では美菜が寝ていた。


俺は、美菜の寝顔を見つめた。


美菜が俺を、まだ好きでいてくれて嬉しかった。


俺はあの公園で、諦めると決めた。


けど、河原で泣いていたあの時の美菜を見てしまった時


俺はどうにか助けたいと思ってしまった…。


俺もまだ…完全に美菜の事忘れられていなかった…。


開いてはいけなかった、禁断の扉。


その扉を美菜が開けた。


初めはびっくりしたけど、俺は受け入れてしまった。


その時


♪♪♪


俺のスマホが鳴った。


「…誰だ?」


画面を見ると、舞由香からだった。


「ゲッ…。こんなタイミングに…。」


俺は慌てて外に出て、電話に出た。


『…はい』


『涼汰…今、何してるの?』


『え…今?』


(ヤベェ…。何て言おう…。)


『…家だよ。』


俺はその時、咄嗟に嘘をついてしまった。


『…そうなんだ。…ねえ…会いたい。』


その時、舞由香の声がいつもと違っていた。


明らかに様子が変だった。


(…何だ?)


『今、ちょっと忙しいから…。またこっちから連絡するから。』


『…分かった。』



『じゃあな』


プッ


そして俺は、電話を切った。


「どうしよう…。」


俺はとりあえず、部屋に戻った。


その時


「…ん。涼汰…君?」



「美菜…起きたか?」



「…うん。どうかしたの?」


「…ちょっと外の空気吸いに行ってた。」


また咄嗟に嘘をついてしまった。


「…そうなんだ。」


「そろそろ出よ。」


「…うん」


そして俺達は、部屋を出た。
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