秘密の糸Season1㊤
「痛!」


足が痛くなった。


「どうした?」


足を見ると、血豆が出来ていた。


「ほら、乗れよ」


そう言って晋ちゃんが、しゃがんだ。


「え、悪いし…。いいよ…。」


「いいから、そんな足じゃ歩けないだろ。」


「じゃあ…、失礼します…。」


そして晋ちゃんが、私をおんぶしてくれた。


「ごめんね晋ちゃん、…重くない?」


「重くない。だから、安心して掴まってろ。」


「うん…。ありがとう…。」


幼稚園の頃に戻ったみたいだった。


(晋ちゃんの背中大きい…。)


「昔の事思い出すな。」


「え?」


「幼稚園の時も、
円花下駄履いてて、途中で血豆出来て、こんなふうにおぶったよな。」


「覚えてくれてたんだ…。」


「当たり前だろ?円花とあった出来事は全部覚えてる。」


(嬉しい…!)


「晋ちゃん、ありがとう。
…私も、晋ちゃんとの出来事は全部覚えてるよ。」


「ありがとな。」


そして私達は、ようやく穴場スポットを見つけた。


私達以外誰も居なかった。


そして晋ちゃんが私を、ゆっくりと降ろしてくれた。
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