秘密の糸Season1㊤
バーンバーン


その時、晋ちゃんが私の手をギュっと握った。


私も、ギュっと握り返した。


夜空に打ち上げられる花火は、


大きくて…


そして…


とても綺麗だった…。


今まで見た花火で、一番綺麗だった。

バーンバーン


「綺麗…。」


「そうだな。」


バーンバーン


花火の音だけがずっと聞こえた。


私達以外、


誰も居ないこの空間が


とても…ドキドキした。


そして、しばらくしてすべての花火が終わった。


「綺麗だったね!」


「そうだな。」


「来てよかった!」


「俺も。」


「そろそろ帰ろうか?」


立ち上がろうとしたその時、


晋ちゃんが、私の手首を掴んできた。
< 46 / 642 >

この作品をシェア

pagetop