秘密の糸Season1㊤
「晋ちゃん?どうしたの?」


「…今からの時間は、俺に独り占めさせて。」


「えっ?」


その時私の手首を掴んだまま、晋ちゃんがじっと私の目を見た。


掴まれた手首がすごくドキドキした。


そして、晋ちゃんが私の手首を引っ張った。


そして…私を抱きしめた。


「!?」


密着する身体と身体が近くて、ドキドキして熱かった。


「…晋ちゃん?」


晋ちゃんの腕の温もりが身体に伝わってきた。


抱きしめられる時って、こんなに近いんだ…。


しばらくして、晋ちゃんが身体を離した。


離した瞬間、晋ちゃんとの顔がすごく近かった。


「好きだよ、円花。」


そう言って晋ちゃんが、私の唇を親指でなぞった。


「…晋ちゃん?」
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