秘密の糸Season1㊤
【秀一side】

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「…もうすぐ円花の誕生日か…。」


俺はスマホに入っているカレンダーを見つめた。


今年は何かやる方が良いか…?

いや…でも。


それは晋一の役目だよな…。

その時


♪〜♪〜♪

スマホが鳴った。


(誰だ?こんな時間に…。)


画面を見るとおふくろだった。 

俺は電話に出た。

ピッ

『…はい。何、おふくろ。』


『あんた、来週の火曜暇?』


『暇だけど…。』


(…円花の誕生日だよな?)


『じゃあ、こっちに帰って来なさい。』


『は!?』

『円花ちゃんの誕生日皆でお祝いするから。』

いやいや待て待て。

俺、邪魔だろ?

『何、嫌なの?』

『嫌じゃないけど…。」

『なんでー昔は三人でお祝いしてたじゃないのー。
円花ちゃんの家族も一緒に』



それは、子供の時の話だろ…。


円花もう20だぜ?

『とにかく帰って来なさい!良いわね!』

ツーツー

そしておふくろは電話を切った。


…何て勝手な…。


「はあ…。」


そして俺は誕生日会に参加した。


「このリング、秀兄ちゃんの?」


円花に言われ、俺はドキッとした。


(違う…。これは俺が清羅に付き合っていた時に渡したやつだ…何で今更こんな所で…)

「…昔、清羅に付き合っていた時あげたネックレスについてたチャームだ…。」

「そうなの!?じゃあ渡しておくね」

円花はそう言って、俺にチャームを渡した。

「ありがとう」

俺はチャームをぎゅっと握りしめた。

何でだ…?

このネックレスは、二人で会うときしかつけない約束だった。

その時俺は、昔の事を思い出した。
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