フレーム





「痛っ……」




背中に走る軽い痛みに

思わずそう声を出すと、

目の前の彼に




「なんて、言うかよ。

ファン?いや、寧ろ大嫌いだよ」




そう吐き捨てるように言われ、

思わず目を見開く。



う、恨んで…る?

私、何かした…?



だんだんと、

混乱が恐怖へと変わっていき、

逃げようと身をよじらせると、




「怯えてる顔、そそるわ。

いい事思いついた。

今から君を父さんに変わって食べてあげる。」




私の手首をさらに強く掴んで、

耳元でそう言うと、

私の首筋をペロっと舐める。


生暖かい感触に、

ゾワッと全身に悪寒が駆け巡る。



何、これ…



気持ち悪い。




「いやっ…やだ…

なんで…」










< 293 / 509 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop