フレーム
ピタッと動きが止まり、
顔を私の目の前に移動させると
「そうだね、何でか教えてあげよっか。」
そう言って顔を離した。
固定された手首が少し痛い。
でも、まだ我慢。
もしかしたら本当に私が悪い事したかもしれない。
それに逃げるチャンスがあるかもしれない。
そう考えて、目の前の彼の目を見る。
「な、なんですか…」
「俺の父さん、カメラマンなんだよ、
高校と中学の男子バレーの。
その仕事をたかが才能と親のコネだけのカメラマンに奪われた、
….お前せいだ、高槻環奈。」
そうフッと笑って私を見下ろす。
たかが……
その言葉がやけに引っかかる。
そして、キッとさっきよりも強く睨んだ。