フレーム
「高槻起きたかー?」
監督にも環奈の声が聞こえたのか、
鏡越しに目が合い、そう聞かれる。
「寝言です。」
「寝言!ラブの予感だなーうははっ」
楽しそうに言う監督から目をそらしながらも、
「どうでしょうねー」
そう答えて、
窓の外に目を移す。
まさか、な。
あり得ない。
いや、でも…
環奈の寝言1つで
さっきまでイラついてた俺が
嘘みたいにいなくなる。
俺ってこんな単純な奴だったのか?
そう浮かれていたせいで、俺は
「居なく、ならないで…」
その環奈の寝言を
聞き逃してしまったんだ。
太一side.end