フレーム
太一side
変な体勢で寝てしまった環奈を
俺の肩にもたれかけさせると、
桜田先輩に話しかけられる。
桜田「いつも一緒にいると慣れるけど、
環奈、可愛いよねやっぱり」
「…桜田さん、俺を寝かせる気ありますか?」
桜田「あるよ。あるけど、
1つ、彼女持ちの先輩からアドバイス。
はやくしないと奪われるよー?
近くの奴に」
「えー…」
桜田さん彼女いたんですか?
という言葉を飲み込んで、
後者の方を考える。
言い終わるとすぐに目を閉じた桜田さんにこれ以上何かを聞く気ににもなれず、
溜め息をついて自分も目を閉じた。
近くの奴…
肩に感じる環奈の体温。
環奈を好きなのは俺だけじゃない。
分かっている。
というか知っている。
だけどきっとあいつは
俺には言わない。
そう分かっていたから甘えていた。
さっき環奈に話したいことがあると伝えた。
もう待たない。
いや逃げない。
絶対に…
そう決心してから俺は眠りについたんだ。
太一side.end