愛しの許嫁~御曹司の花嫁になります~
少し癖のある自然な茶色い髪をさらっと後ろに流して、涼しげな雰囲気の中にきりっとした目元は理知的なものを感じる。本当に、想像以上の端正な顔立ちに私はつい惚けてしまった。
「……なに?」
すると、ようやく私の存在に気がついたのか、鷹野部長が目線を上げて私を見た。
「あの、私、第一秘書課の鈴本茜といいます。この度は、私の手違いで――」
私が言葉を言い終わらないうちに鷹野部長が眉間に皺を寄せ、すっと無言で席を立った。
もしかして……すっごく、ご立腹――?
「申し訳ありませんでした! その、私がハイヤーをちゃんと確認しなかったのが原因なんです」
「鈴本……茜」
座っていたからわからなかったけれど、鷹野部長が席を立つと、百八十はある長身で、肩幅も広く、小柄な私には迫力があった。私の名前をぼそっと口にすると鷹野部長は、ゆっくり私に近づいてきた。
「……なに?」
すると、ようやく私の存在に気がついたのか、鷹野部長が目線を上げて私を見た。
「あの、私、第一秘書課の鈴本茜といいます。この度は、私の手違いで――」
私が言葉を言い終わらないうちに鷹野部長が眉間に皺を寄せ、すっと無言で席を立った。
もしかして……すっごく、ご立腹――?
「申し訳ありませんでした! その、私がハイヤーをちゃんと確認しなかったのが原因なんです」
「鈴本……茜」
座っていたからわからなかったけれど、鷹野部長が席を立つと、百八十はある長身で、肩幅も広く、小柄な私には迫力があった。私の名前をぼそっと口にすると鷹野部長は、ゆっくり私に近づいてきた。