愛しの許嫁~御曹司の花嫁になります~
 じ、じゃあ……私が勝手に田辺君の話を信じちゃってただけ――?

 鷹野部長よりも、田辺君を信じてしまったようで自分で自分が嫌になる。

「俺と茜ちゃんは確かに互いの両親公認の許嫁だったんだが、ある日、茜ちゃんのご両親が許嫁を破棄して欲しい、と親父のところへ申し出たんだ」

「え? お父さんとお母さんが?」

「俺が二十五の時だったよ。当時はイギリスの商社で勤務していて、茜ちゃんにろくに連絡してやれなかったツケが回ってきたのかとあの時は思ってた」

 鷹野部長の横顔が少し悔しそうに歪む。

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