愛しの許嫁~御曹司の花嫁になります~
 そして翌日。

 いつものようにいつもの時間に出社。私はまだ新入社員で、先輩よりも三十分は早くオフィスに入ってまず、メールチェックをする。今日の仕事の予定を確認していると、次々とお姉さま方が出社してきた。

「おはようございます」

「鈴本さん、おはよう。いつも早く出勤してきて感心感心」

 水菜さんは昨夜の合コンで少々飲みすぎたのか、隣の席で滋養強壮ドリンクを一気飲みしている。

「昨日の合コンはあんまり大したことなかったわ~鈴本さん、来なくて正解だったかもよ?」

「え? そうだったんですか?」

 確かドクター合コンとかなんとか言ってウキウキしていたはずだったけれど、水菜さんは男を見るハードルが高い。

「なんか仕事の話ばっかで、遊びにもならないったら……。あ、そうだ、今日鷹野部長、帰国早々、十時から会議入ってるの知ってる?」

 水菜さんがお洒落な革のカバーをつけた手帳をめくる。

「はい。四十六階の会議室で十時から会議、確認しています」

「私たち、鷹野部長の担当になるから、あなたは私の補佐をよろしくね」

「わかりました」

 え!? 部長秘書の補佐――!

 水菜さんは秘書課の中でも有能だ。だから部長の担当になったのだろう。そして、私は水菜さんの後輩だから、そのサポートをする。新人なのに役職のついてる人の秘書サポートだなんて夢みたいだ。
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