愛しの許嫁~御曹司の花嫁になります~
「鈴本さんは新人だけど、仕事がよくできるから頼もしいわ」

「い、いえ……そんな事ないです」

 私、頼りにされてる! 嬉しい――!

 しかし、浮かれているのも束の間、今までノーミスで仕事をしてきた私だったが、とんでもないトラブルを起こしてしまったのだ。

 私の致命的なミスで……。

 それは、しばらくしてからのことだった。


「ええっ!? 鷹野部長がまだ会議室に着いてない? ど、どういうこと?」

 内線を受けた水菜さんの声がオフィスに響き渡る。

「はい。ええ、わかりました。申し訳ありません。後ほど伺います……では、本当にすみませんでした」

 大きな声を出してしまったと、水菜さんは周りを気にして小声になると、平謝りして電話を切った。


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