天使の傷跡
「わぁっ、やっぱり可愛いっ!!」
そうして私が真っ先に連れて来てもらったのは、他でもないあの茶トラのところ。
今日も変わらず書斎の特等席で丸まっていて、部屋に入るなり黄色い声を上げてしまった私をピクリと見上げた。
「あ…ごめんね、うるさかった?」
そーっと近づくと、あの綺麗な黄色い瞳がじっとこちらを見つめている。
「撫でてやれば?」
「えっ? いいんですかね…?」
「もちろん」
あまりにもあっさりそう言われたので迷いつつもゆっくりと手を伸ばすと、前回来たときと同じようにフンフンと鼻をならし、しばらく考えた後、スリッと頭を擦り寄せてくれた。
「ほわぁっ…!!」
か、可愛すぎる…!
「ぶっ! ほわぁってなんだよ、ほわぁって」
「だ、だって! 可愛すぎるんですもん…!」
まだ出会って二回目だというのに、私は彼___福助にすっかりめろめろだ。