天使の傷跡
「…余計なお世話ですけど、食事だけはもう少しちゃんとした方がいいんじゃないですか? ただでさえ多忙なんですし、そのうち体壊しちゃいますよ」
「嬉しいね。心配してくれるのか?」
「そっ、からかわないでください。私は真面目に言ってるんです!」
怒る私に笑いながら、課長が箸を置いてそのまま頬杖を突く。
「俺だって真面目に言ってるさ。好きな女が自分の事を心配してこうして手料理を作ってきてくれる。これが嬉しくないわけがないだろう」
「それ、は…」
睨み付けていた瞳が途端に泳ぎ出す。
「今まで自分の体調になんてとんと頓着もなかったけど、こうして優花が世話を焼いてくれるんなら、不摂生も案外悪くないもんだななんて思うよ」
な、何と言うことを…!
悪びれるでもなくそんなことを口にする課長に心底呆れ返る。
こっちは本気で心配してるのに!