俺はお前がいいんだよ
「後から嫌がったって離してなんてあげませんよ。一生、くっついてやるんだから」
桶川さんの動きがピタッと止まったので、不審に思って体を離すと、彼は頬を染めながらも不敵に笑う。
「えっ、なんですか?」
「お前、それ。……聞きようによってはプロポーズだけど」
「はっ?」
「俺はその気になっていいのかな?」
自分が言ったセリフを反芻して、体の中が噴火を起こしそうになった。
「ち、ちが……」
「あーどうしようかなー。そうか。高井戸は一生俺から離れないのかー」
「ちょ、繰り返さないでくださいよ!」
結局、私の悩みは根本からは解決していない。
ずっと好きでいてもらえる自信はないし、桶川さんの凄さに委縮しちゃうのも変わらない。
だけど、気持ちが軽くなっているのは、重いセリフも受け入れてもらえたからかな。
「じゃあ、挨拶に行かねぇとなぁ」
とりあえずは、更にとんでもないことを言いだしそうな彼を止めなければ。
私たちの同居生活は、まだまだ波乱含みのようです。
【Fin.】


