由良先輩はふしだら


「美子、やっぱり、手痛めてるでしょ」


「へっ、」


今、思わず痛みで顔が歪んじゃったけど、先輩に見せないように顔を隠したはずなのに。


どうして……。
さっきから私の違和感に気付いていた、みたいな。


「階段から降りてくる時からなんか変だなって思ってた」


「そんな、こと……」


なんで。
どうして、先輩の好きな人は私じゃないのに、こうやって、私のことわかってくれてるみたいなこと言うんだろう。


「保健室行こ」


「いや、大したことじゃ……ただちょっと転んだだけで」


「いいから行くよ」


先輩はそう言って歩き出すと昇降口を出た。


「え、あの、先輩、保健室って……」


「もう靴履いちゃったし、外から行こう」


先輩はそう言って、私の歩幅に合わせて保健室への道を歩いた。


< 101 / 300 >

この作品をシェア

pagetop