由良先輩はふしだら


昇降口を出て、校舎の中心にある中庭を突っ切って歩いていく先輩にテクテクとついていく。


「ほら、すぐついた」


先輩が顔を上げてそう言うので目線を同じ方向に合わせると、パステルグリーンのカーテンが見えた。


「ホントだ……」


「外階段登ったらすぐ。中から行くより断然こっちの方が近い」


先輩は得意げな顔をしてそう言うと、階段へと向かって上り始めた。


まるで、保健室までの行き道ならどっからでもお見通しって感じ。


二階にある保健室。


ガラッ


由良先輩がドアを開いた瞬間、ふわっと保健室独特の匂いが鼻をかすめた。


「由良くん。どうしたの?久しぶりに仮病?」


先輩の大きな背中が私のことを隠していて、先生は私の存在に気付いていない様子。


久しぶりに仮病ってことは、由良先輩、よくここで休んでたんだな。


私があの外階段から保健室にいる先輩を見つけられていたのも納得。


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