由良先輩はふしだら
「仮病なんて人聞きの悪い。本当に体調悪かったんだって。低血圧なの小林先生も知ってるでしょ」
「はいはい。で?もう放課後なんだし、お家に帰って休んだ方が早くない?」
「今日は俺じゃないよ。この子の手、痛めたみたいで見て欲しいんだ」
そう言って、先輩が後ろにいた私の肩を掴まえて、ドアの前に立たせた。
「あら、由良くんが女の子自分から連れ込むなんて珍しい」
「別に連れ込んでるわけじゃないから、早く見てよ」
由良先輩はそう言いながら、保健室のドアをピシッと締めて、窓側にある椅子に腰を下ろした。
私は先生に促されて、保健室の中心にある丸椅子に座る。
窓の外を見ながら足を組んでいる由良先輩に目をやると、顔がなんだかいつもと違う。
どう違うのって聞かれたら、うまく答えられないけど、こっちを……いや、先生の顔を見ないようにしている感じ。