由良先輩はふしだら


先生が立ち上がって、棚から湿布を取り出してる間、反対側の壁にある椅子に座る先輩に目を向けた。


「ほら、早めにきて良かったでしょ」


「はい。すみません、ありがとうございます」


やっぱり、先輩がなんだかおかしい。
声は優しいし、私のことを心配してくれてるのは伝わるのに、これはなんなんだろうか。


「ちょっと冷たいよ〜」


椅子に座りなおした先生がそう言って私の手首に湿布を貼る。


ピタッ


ヒンヤリとして、気持ちがいい。
この時初めて、相当手首が熱を持っていたことを自覚する。


ガラッ


「愛菜ちゃ〜〜ん!リュウイチくんに指の骨折られたので見てくださーい!」


「いや、俺もこいつに足の骨折られたしっ!愛菜ちゃん手当てして〜!」


小林先生に湿布を貼ってもらっていると、突然保健室のドアが勢いよく開けられて、男子生徒2名が騒がしく入ってきた。


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