由良先輩はふしだら
そして、凄まじい重力のフワッとした感覚が少しおさまった瞬間、
「美子!目開けて見てごらん」
隣の先輩にそう促されて、恐る恐る目を開ける。
「わぁっ、きれい……」
ジェットコースターがスピードを出して進んでいることはわからないけれど、
目の前に広がるのは、大きいこのテーマパーク全体の鮮やかな景色と、その向こうにある海のキラキラとした輝き。
「怖いだけじゃないでしょ。乗らなかったらずっとこの景色知らなかったんだよ」
ジェットコースターの動く音、風の音、そんなものに負けないように由良先輩が大きめの声で話す。
本当だ。
この景色を知らなかったなんて、もったいなすぎる。
「はい!!すんごく綺麗!!乗れてよかったです!!」
私は、声がかき消されまいと、先輩に対抗して大きな声でそう言ってたから、
またやってきた落下コースで、今度はみんなと同じように全力で声を出した。