由良先輩はふしだら
「先輩、これきっと私じゃないです!」
とっさに、無理がある嘘をつく。
だってこんなの、恥ずかしすぎるよ。
先輩に嫌われちゃう。こんなブッサイクな顔。
普段だって大してかわいいわけじゃないんだ。
それなのに……。
それに比べて隣の先輩ったらおかしいよ。
先輩も先輩だ。
全重力が一気にかかる瞬間だっていうのに、風の抵抗にだって一切負けていない、由良先輩の涼しくて爽やかな顔。
先輩だけ合成したんじゃないかと思うレベルだ。
「ははははっ!すっごいよね、美子。今日めっちゃ可愛くしてるのに、こんな顔もできちゃうんだもん」
「別に狙ったわけじゃないですから!」
「ほんっと、飽きさせないよね〜っ!」
そう言ってまだお腹を抱えて笑う先輩。
全く……。
好きな人にこんな醜態を見せちゃってすごく恥ずかしいんだからね。
でも、笑いすぎて涙が出ている先輩を目の前にして。なんだか、変な顔も先輩が喜んでくれるなら一生やっていたいと思っちゃう。