由良先輩はふしだら


「あー杏樹(あんじゅ)?あぁ、今乗ったとこ」


私の左隣に座る人が、なにやら誰かに電話をかけて、電話の相手と話し出した。


「楽勝だったよ。お前が言う通り、あいつの名前出したらすぐ顔色変えて付いてきた。いやまじでチョロすぎて笑ったわ。あー、わかってるって、はいはい、しつこいなぁ、まじで大丈夫だから」


相手の人の声は全然聞こえない。
けど、杏樹って、多分、女の人。
一体なんの真似なんだろうか。


「よーし、俺らと楽しもーね〜、美子ちゃん」


電話を切った男の人が私の髪の毛に触れて耳にかけさせながら、名前だけをわざとらしく耳打ちした。


「……っ、降ろしてください」


「何言ってんの、自分から乗ったんでしょ」


さっきまで笑いながら私の名前を呼んだのに、すぐに声色を変えて、目付きがわかる。


「なんでこんなこと。私、もう由良先輩とはとっくに別れていますし、本当関係無いんで」


この人たちは、由良先輩の名前を出して私のことを騙した。と言うことは、由良先輩関連のことが少なからず関係している。


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