由良先輩はふしだら


嫌がる声をここであげても、逆効果だと思ったからひたすら声を出さずに耐える。


首元が生温いものでなぞられて、ゾクっとする。


「……っ、」


「いいね、美子ちゃんその顔、」


気持ち悪い、もう全てが。


冷たくてゴツゴツと角ばった手が、私の頭に触れて、もう視界にうつすことさえも拒んで、ギュッと目を瞑る。


助けてほしい。


こんなの、由良先輩に振られたことに比べたらなんでもないなんて。


違う。


由良先輩以外の誰にも、触れられたくない。


ちょっと強引だけれど、先輩のキスはちゃんと優しかった。たとえ私とのキスに気持ちがなかったとしても。


由良先輩に触れられた時、はじめてのことで怖かったから拒んだんじゃなかったんだ。


今、こんなことになってようやく、気付いた。


代わりで触れて欲しくない、心のどこかで、そんなわがままが出来上がっていたんだ。


私を見て、私を感じて、そうして欲しかったから。


由良先輩……。


大好きだった。


今だって、変わらず。

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