由良先輩はふしだら
「みんな宙のことは怖がってるからね。宙が詳しいことを聞き出したら、川澄さんもすぐに相手の名前とか居場所すぐに吐き出してくれたみたいで。ここに来るまで宙と一緒にいたんだよ。さっきの電話もここのすぐ隣でのやりとり。今までの嫌がらせもすぐに認めた。美子にもう何もしないって約束で、帰らせたけど」
と付け足してくれた由良先輩。
由良先輩が普通に私に話していることが信じられなくて、胸がトクントクンとうるさい。
「本当にサツ呼べば早い話なんだけど、俺もできれば関わりたくないからさ〜サツには。だからこんなこと」
そう言って、スマホ画面の『サイレン音』の表示を再び見せた。なるほど……。日高先輩の噂がさらに現実味を増す。一個一個が繋がっていって解ける。
「まぁ、ザッとこんなとこかな。それより、美子ちゃんが無事で何より。じゃあ、俺もう行くね」
「えっ、日高先輩、ちょ……」
先輩は私に背を向けて歩き出すと、片手をひらひらと上に上げてから、倉庫を出ていってしまった。