由良先輩はふしだら


「あっ、本当ですね。先輩と食べたクレープ、ほんっと美味しかったです!」


金欠の私に代わって、先輩がクレープ代を出してくれて。
クレープの取り合いっこなんかして。
先輩が、実はハト嫌いなことがわかって新しい一面が見れて。


「うん、美子と食べたから余計」


「先輩……」


「気付いたら、久しぶりにちゃんと心から笑えていた。美子といたら、素でいられた。なんか安心したんだよね、すごく」


これは……先輩に、ほ、褒められてるってことでいいのだろうか。
先輩を笑顔にさせたい、ずっとそう思って一緒にいたから、改めてそう言われてすごく嬉しい。


「わ、私も本当に楽しかったです。まさかあの由良先輩と並んでクレープを食べる日が来るなんて思っても見なかったので!デートだって、毎日の昼休みも放課後も……!」


ジェットコースターのときに優しく握ってくれた手も、強引だけどどこか切なかったキスも、私の言葉に無邪気に笑ってくれた先輩も。


いつだって幸せで、この人を好きでよかったって、何度も。


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