由良先輩はふしだら


「好きだって言ってくれてありがとう。初恋こじらせてひねくれ続けたこんなやつのこと」


先輩がそう言って笑った瞬間、風が吹いて、先輩の風がフワッと揺れて、大好きな香りが鼻をかすめる。


「どこまでもまっすぐで、健気って言葉がほんとぴったりで。そんな美子のこと、俺が触れて汚すのはどっか罪悪感でさ。でも弱くてずるいから、そんな美子の優しさにズルズル甘え続けて」


「そんな、甘えなんて!そんなこといったら私こそ自己中ですよ!だって、大好きな先輩といたいってそんな利己的な考えだけでそばにいた!」


先輩はちゃんと、私にたくさんの幸せをくれた。


「何言ってもそんな風に返してくれるんだね」


「だって本当のことですもん!」


先輩の目をまっすぐ見て、そういうと、ふと、先輩の手が伸びてきて、私の頬に触れた。


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