由良先輩はふしだら
「これ以上、こういうこと続くようだったら、先輩と付き合い続けるの考えた方がいいんじゃない?」
起こってほしくないことが起こってしまって、親友にもこんなことを言われて。
私はただ、由良先輩の隣にいたいだけなのに。
「あ、美子ちゃん」
事務室からスリッパを借りて、教室へ向かおうと階段を上った時、誰かに声をかけられる。
「ひ、日高先輩っ」
クルッと顔を後ろに向けると、こちらに手を軽く上げてから階段を上る日高先輩がいた。
「あれ、美子ちゃん上履きは?」
私の足の違和感にすぐ気付いた先輩。
この人、なんだか勘が鋭そうな人なんだよなぁ。
「家に持って帰ったら忘れちゃって……」
「ふーん」
金曜日でもないのに上履きを持って帰って洗う人なんてそうそういないはず。それでも、日高先輩はそれだけ言うと、階段を上るまで隣を歩いていた。
「じゃあ、日高先輩、また……」
別れて手を振ろうとした瞬間、
「広真に愛想が付いたらいつでも俺のとこおいで。あいつといるとなにかと目つけられて大変でしょ」
日高先輩は私の耳元でそう言ってから、その場を後にした。