由良先輩はふしだら


「え〜」


そう言いながらも立ち上がって、私は階段を2段降りて、踊り場に着地する。


その間にも、スリッパのパタパタという音は響いていて、改めてこれ結構うるさいじゃん、と実感した。


先輩の言われた通り、踊り場の端まで歩くと、やはりスリッパを少し引きずる感じになって、パタパタと音がなる。


「ハハハッ」


「えっ、なんですか!」


私の歩いてる姿を見た由良先輩が突然笑いだすので、なにが起こったんだと足を止めて顔を先輩の方へ向ける。


「ハハハッ、だって、美子の歩き方……!ペンギンみたいっ、ハハハッ」


「ペン……ギン……それ、いいんですか?」


「うん、可愛い。ミコペンギン」


「うっ、バカにしてますね!先輩!」


先輩はお腹を抱えてまだ笑っている。
相当ツボに入ったらしい。


好きな人にペンギンって言われるのはどうなのかわからないけど、それでも、今目の前で大好きな人が笑ってることが、何よりも嬉しくて。


「先輩が笑ってくれるならずっとスリッパでいいです」


なんて言って、もう一回歩いて見せた。


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