由良先輩はふしだら
*
「じゃあ、放課後靴箱で」
「はいっ!午後の授業も頑張ってください!」
たわいもない話しをしながらお昼を終えて、私と先輩はそれぞれ自分のクラスに帰る。
私に突然キスをして、寝言で『愛菜』と呼んだあの日から、先輩は私に過度に触れてきたりしない。
少し寂しい気持ちと、でも、代わりとして触れられないことにどこかホッとしてる自分がいて正直まだ複雑だけれど。
こうやって、先輩と並んで会話ができて笑顔が見られること、ただただ幸せ者だって思う。
「美子っ!」
教室に帰ると、トートバッグと体育館シューズを手にした栞がこちらに気付いた。
「ただいま〜」
「何のほほんとしてるの。至福の時間は終わり。次体育だから急がなきゃ」
「え!体育!」
すっかり忘れてたよ……。
急いで弁当を片付けて、栞と同様、体操着が入ったバッグと、ロッカーに入れていた体育館シューズを手に持って、私たちは小走りで更衣室へと向かった。