プレシャス~社長と偽りの蜜月~
彼の強引な迫り方に異議を唱えたいけど、この先のコトを考えるとこうして二人で蜜に過ごせる時はないと思うと彼には抗えなかった。


「世の中の新婚さんもこんな風に甘いの?」

「結婚したのは初めてだから…分からないけど。多分そうだと思う。子供が出来たらこんな風に二人でいちゃいちゃは出来ないと思うよ」


「子供・・・」

雅人の言葉に戸惑う。

「どうしたの?」

「何度もこんなコトしてたら、赤ちゃん出来る可能性あるよね・・・だって、私記憶喪失だよ。自分のコトだってよくわかってないのに、赤ちゃんなんて育てられないよ」

「昨日の夜は朱音のコト考えずしてしまったけど。今から朱音のコトを一番に考えて赤ちゃんは出来ないようにするよ」

「お願いね・・・」

雅人は私のコトを考えて避妊してくれた。


行為の後も私のカラダを離そうとしない雅人。彼の顔が長い髪に埋まった。
指先を弄ばれ、唇を寄せられる。


私の心とカラダは雅人の存在で満たされた。



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