プレシャス~社長と偽りの蜜月~
その男はバーテン。
朱音とはその男が勤めるバーで知り合った。
知り合った当時はバーテンとして働いていたが、朱音は社長令嬢だと知って無職になり、パチンコや競馬と言ったギャンブルに身を投じていき、多額の借金を作った。
朱音から無心に金をせびるヒモとなった。
そんな時期に、朱音の父親の会社が傾き始める。それを好機に取り、俺は養父の相良社長に相談。
結城社長を心配していた相良社長も俺の提案に乗って、朱音の父の会社を自社のグループに吸収した。
俺は新会社の社長となり、朱音を秘書に就かせた。
「久し振りだな、朱音お嬢様」
社屋は『花菱金属工業』の本社をそのまま改装し、『花菱メディカル』にした。新たに社屋を建設する余裕はなかったのだ。少しでも経費を削り、利益を産まなければならない。
研究職から経営者になった俺にとっては難題だった。
俺と朱音は社長室で顔を合わせた。
それは立場が逆転する瞬間でもあった・・・
「雅人・・・」
朱音は小さな声で名前を呼ぶ。俺は25歳のなった朱音を凝視する。でも、彼女には男が居る。
朱音とはその男が勤めるバーで知り合った。
知り合った当時はバーテンとして働いていたが、朱音は社長令嬢だと知って無職になり、パチンコや競馬と言ったギャンブルに身を投じていき、多額の借金を作った。
朱音から無心に金をせびるヒモとなった。
そんな時期に、朱音の父親の会社が傾き始める。それを好機に取り、俺は養父の相良社長に相談。
結城社長を心配していた相良社長も俺の提案に乗って、朱音の父の会社を自社のグループに吸収した。
俺は新会社の社長となり、朱音を秘書に就かせた。
「久し振りだな、朱音お嬢様」
社屋は『花菱金属工業』の本社をそのまま改装し、『花菱メディカル』にした。新たに社屋を建設する余裕はなかったのだ。少しでも経費を削り、利益を産まなければならない。
研究職から経営者になった俺にとっては難題だった。
俺と朱音は社長室で顔を合わせた。
それは立場が逆転する瞬間でもあった・・・
「雅人・・・」
朱音は小さな声で名前を呼ぶ。俺は25歳のなった朱音を凝視する。でも、彼女には男が居る。