水晶の探偵
一筋縄ではいかない事件のようだ。
毒はアイスティーから発見された。
しかし、政人の前にそれを飲んだ香恵はぴんぴんしている。
今はショックで寝込んでいるが…。
そうすると、犯人は毒を香恵がアイスティーを飲んだ後に入れたことになる。
「他の物からは検出されなかったんですか?」
「はい、割れたグラスも調べましたが、全く…」
小さくため息をつき、頭を落ち着かせる。
南城香恵がアイスティーを飲んだときは大丈夫だった。
その後は、毒が入っていた。
自分たちがいる中、どうやって毒を入れることが可能か。
もしくは南城香恵がアイスティーを飲むことで毒を仕込んだか。
その場合も何かしらのトリックが必要だ。
何よりもスープではなく、アイスティーに毒があったということは、それを政人が飲むとは限らないという事だ。
すなわち狙われたのは政人ではない。
南城香恵だったことになる…。