恋の人、愛の人。
陽佑さんがケーキを食べる事をすっかり忘れて私は私の分を食べ、もうベッドに横になっていた。
あれ…暗いじゃないか。寝たんだな…全く…。まさか、また、居ないとか…。寝てるなら鍵はちゃんとしてるのか?
ノブに手を掛け回してみた。…開いてるし。…はぁ。入るぞ。
「こ〜ら。起きろ〜。こら〜」
まさか、毎晩かけ忘れてる訳じゃないよな…。外も…今はまだ俺が居るけど、こんなことじゃ危ないじゃないか。
「梨薫ちゃん…梨薫ちゃん」
ちょっと揺すってみたが起きない。これはもう…起こすぞ。
「梨薫ちゃん!」
肩を掴んで起こした。
「…うわ゙、よ、陽佑さん」
「か、ぎ、開いてたぞ。…勝手に入って悪かったけど。うっかり寝てしまったのかも知れないが…こんな事してたら危ないだろ。それとも俺が来ると思ってかけてなかったのか?違うよな?明かりは消してあるから。
その方が色々可笑しいよな」
「え?…は、はい…はい?単純に忘れていました。外のドアの鍵をしたら、何だか、このドアは部屋の中のドアだと思ってしまっているから、…うっかりです、ごめんなさい」
…はぁ。
「あのな…セキュリティーは万全て訳じゃないからな?店の裏手って危ないから…気をつけてくれよ?」
「はい。以後、二晩、気をつけます」
あ、…そうだったな。今週末には部屋に戻ると言っていたんだった。
「最後の晩餐はするのか?」
「え?あぁ、黒埼君とですか?はい。金曜の夜に私の部屋でご飯を食べます」
起きて枕を抱いて座った。
「そうか」
では、金曜は来ないかも知れないって事だ。今夜を除けば、明日だけかも知れないって事か。
冷蔵庫からショートケーキを取り出した。
「あ、これ、梨薫ちゃんが買った珈琲、貰っていい?」
テーブルの上に置いたままだ。カップは空になっていた。
「あ、珈琲、有り難うございました。何も疑わず直ぐ飲んでしまいました。いいですけど、冷たくもなく温くなってるだけだと思いますよ?」
「いいよ、それで」
温かかったはずの珈琲のキャップをパリパリと開けた。
あれ…暗いじゃないか。寝たんだな…全く…。まさか、また、居ないとか…。寝てるなら鍵はちゃんとしてるのか?
ノブに手を掛け回してみた。…開いてるし。…はぁ。入るぞ。
「こ〜ら。起きろ〜。こら〜」
まさか、毎晩かけ忘れてる訳じゃないよな…。外も…今はまだ俺が居るけど、こんなことじゃ危ないじゃないか。
「梨薫ちゃん…梨薫ちゃん」
ちょっと揺すってみたが起きない。これはもう…起こすぞ。
「梨薫ちゃん!」
肩を掴んで起こした。
「…うわ゙、よ、陽佑さん」
「か、ぎ、開いてたぞ。…勝手に入って悪かったけど。うっかり寝てしまったのかも知れないが…こんな事してたら危ないだろ。それとも俺が来ると思ってかけてなかったのか?違うよな?明かりは消してあるから。
その方が色々可笑しいよな」
「え?…は、はい…はい?単純に忘れていました。外のドアの鍵をしたら、何だか、このドアは部屋の中のドアだと思ってしまっているから、…うっかりです、ごめんなさい」
…はぁ。
「あのな…セキュリティーは万全て訳じゃないからな?店の裏手って危ないから…気をつけてくれよ?」
「はい。以後、二晩、気をつけます」
あ、…そうだったな。今週末には部屋に戻ると言っていたんだった。
「最後の晩餐はするのか?」
「え?あぁ、黒埼君とですか?はい。金曜の夜に私の部屋でご飯を食べます」
起きて枕を抱いて座った。
「そうか」
では、金曜は来ないかも知れないって事だ。今夜を除けば、明日だけかも知れないって事か。
冷蔵庫からショートケーキを取り出した。
「あ、これ、梨薫ちゃんが買った珈琲、貰っていい?」
テーブルの上に置いたままだ。カップは空になっていた。
「あ、珈琲、有り難うございました。何も疑わず直ぐ飲んでしまいました。いいですけど、冷たくもなく温くなってるだけだと思いますよ?」
「いいよ、それで」
温かかったはずの珈琲のキャップをパリパリと開けた。